#1 地図読みで広がる世界へ。


こんにちは。わたしは岡山で「魁!OMM塾」という”OMM(Original Mountain Marathon)”という、毎年行われる山岳イベントに出場するための地図読みの講習会や軽量装備でのテント泊などについて教えたり、オリエンテーリングやトレイルランニングやファストパッキングなど山で遊ぶ仲間を増やす活動をしているチームの主宰をしている青木といいます。またokayamarun.comという情報サイトでそういった情報などを発信している44歳の山好きラン好きの会社員です。このブログはokayamarun.comのなかのメンバーが毎週交替で書いていくことにしています。

そもそもどういう経緯でこういう活動をするに至ったか、についてはまたの記事で書くとして(たぶん)、今回はいまちょうどやろうとしている新しいイベントについて書こうと思います。

きたる2022年の3月21日、春分の日の祝日に、備前市の閑谷学校(現青少年教育センター)のオリエンテーリングコース周辺山域にて、2人1組チームでのオリエンテーリング大会を開催します。
その名も《閑谷マウンテンマラソン》。
OMM (Original Mountain Marathonオリジナルマウンテンマラソン)とはイギリスで50年以上も前から行われている歴史の古い山岳アクティビティーで、2人1組で広大な山岳フィールドのなかで地図に指定されたいくつものコントロールポイントをコンパスだけで辿っていき、最後のコントロールポイントをとるまでにかかった時間を競う競技です。これは、コンパスでコントロールポイントをたどっていく時間を競う”オリエンテーリング”と、山のなかで幕営したり食料もすべてバックパックにいれて過ごす”テント泊山行”を組み合わせた競技で、2014年から日本でも毎年11月の中旬に長野県や山梨県などの日本アルプス周辺や群馬県などのスキー場周辺などのフィールドで開催されています。

このOMMにわたしは2014年の第1回大会から参加し、すっかりその魅力にハマってしまいました。それまでは登山やトレイルランニングで山に触れ、遊ぶことは好きでしたが、このOMMに出会い、バディー(相棒)と力をあわせて目標に向かうチーム戦の楽しさ難しさ、より速くさらに長く山中で動き続けるための装備やギアを追求していくことの奥深さ、そしてなによりコンパスで自分のいる位置を常に把握し、目標とするコントロールまでたどりつくまでの地図読みの面白さを知り、これまで2021年まで5回に渡り、参加することになります。


OMMに参加し、地図読みの楽しさにハマり、テン泊山行のための装備やウェアなども買い漁り、山にいくことが日々の自分の生活のなかでもとても重要なものとなっていきました。その好きなものに触れ、いろいろな出会いもしていくなかで、もともとトレイルランニング好きのグループのなかにいた内川さんと一緒にOMMに行こうという話になります。時は2021年、コロナ禍のまっただなかにあり、マラソン大会やトレイルランニングの大会など軒並み中止になっていた時期。どうせまたOMMにいくんなら今度はもっとたくさんの仲間と一緒にいきたいなという気持ちと、そうするためにはOMMを知ってもらい、そのための地図読みを一緒に学べる機会や、興味のあるひとたちがつながれる場がいるんじゃないかと話しあい、形になったのが「魁!OMM塾」という企画のはじまりでした。

前置きが長くなりすぎましたが、その「OMM塾」を一緒に興した内川さんや、OMM塾に参加し一緒に学んでつながった仲間と作ろうとしているのが《閑谷マウンテンマラソン(SMM)》です。閑谷学校のオリエンテーリング(OL)コースは通常は小・中学生が研修などで使用する目的のため、地図読みのスキルとしてはかなり難易度は低くなっています。そのコース内に今回はオリジナルで臨時のコントロールポイントを設置して、3時間の制限時間内にどれだけ回ってポイントをとれるかというスコア形式でのOLとします。OL経験者にとってはひょっとしたら張り合いのないコースになるかもしれませんが、この《閑谷マウンテンマラソン(SMM)》は今までOLをやったことがない方や、トレイルランナー、キャンパー、ハイカー、山で遊ぶのが好きな方にOLやマウンテンマラソンの”入り口”として楽しんで体験してもらう機会になればいいと考えています。

マラソンやコースの決まったトレイルランニングとは違い、どのルートを通ってどのコントロールをとるのかを(バディーと)考える。通るルートの決め方やどういう順番でなにを優先させてゴールまでたどりつくのか、、すべて自分たちで考えて決めて好きなように進んでいけるのがOLの醍醐味です。うまくいったとしても間違ったとしてもすべては自分が決めたこと、その”自分が決めたこと”に対する自己責任感みたいなものを遊びのなかで身につけることの出来るのも他の競技ではなかなか味わえない良さでもあるとわたしは思っています。

すこし大げさで堅苦しい文章になってしまいましたが、OLに触れて、マウンテンマラソンを体感する、自然のなかでバディーと真剣に語り合う、コンパス持ってあっちこっち山のなかを走り回る、最高の非日常を味わってもらいたいと思います。(青木)