#19 那岐ピークス2022参戦レポ

2022年6月5日、
岡山県の北部は那岐山系を舞台に行われた
「NAGI peaks タフトレイルチャレンジ2022」
のチャレンジコースの部にランナーとして
参加させてもらいました。
この大会、ミドルとチャレンジの2つのコースが
設定され、私が出たチャレンジコースは
総距離57km,累積標高約4600mという
その名の示す通り
“タフ”(激しい、しんどい)なコース設定です。
その反面、雄大な那岐山系の稜線からの
最高の眺望を楽しめるコースシチュエーション、
そしてトレラン協会の仲間や知り合いたちが
ランナーやスタッフにも多く、岡山のトレラン界隈
が集結する中四国でも人気の大会です。
、、ただ、今年はその一番の楽しみでもある
稜線パートはレース時間中ほとんど強風と
真っ白なガスに覆われるという
コンディションになってしまいました。
10m先はもう見えない。。
そして数十メートル級の爆風が吹き荒れ、
稜線上はずっと走りつづけていても
汗もほとんどかかず寒さを感じるほどでした。
やはり大会当日は午後からの悪天候により、
スタッフとランナーの安全確保のため
チャレンジコースの一部は短縮され
残念ながらコース変更となります。
しかし、30kmをこえてレース後半でのこの
状態となると考えるとこのコース変更は
妥当な判断だったと思います。
(とかえらげに言う以前に、
体も足もきつすぎて内心ありがたかった…)
コースは短縮となってしまったり、
楽しみの稜線ランはおあずけになって
しまいましたが、コロナ禍で過去2年中止と
なって走りたくても走れなかった
ランナー達の想いとなにより地元地域の
素晴らしい山岳資源を盛り上げたいという
実行委員長をはじめ運営のみなさん、
協力されたみなさん達の想いが重なり、
スタート前会場から最終のゴールまで
とても気持ちのこもった熱い大会に
なっていたように思います。
各エイドではスタッフにも地元岡山の
ランナー仲間の顔がとても多く、
次のエイドにいくのが楽しみだったり、
またほぼピストンなので往路と復路で
むかえてくれるエイドなど
たくさんの応援の声にとても力をもらえました。
そしてエイドだけではなく、
コース上となった山中で無線を使って
つねに情報共有しながらあの悪天候のなか、
動き回ってランナーの安全に腐心して
くださっていたマーシャルスタッフや
立哨スタッフのみなさんにはほんとうに
頭が下がりました。
一番楽しそうな内川氏。
つねに筋肉コンシャスのため
薄着すぎる同氏ですが、今回は
「…めちゃめちゃ寒い」と
もらしてました。稜線上での立哨
マーシャル本当にご苦労様でした。
私はチャレンジのほぼ最後尾からスタートし、
某鏑木プロのようにすこしずつランナーを
かわしながら上位にあがっていくイメージで
いましたが(嘘)結果は、イメージ通りだったのは
スタートのみ、見事に最後まで各エイドの
関門制限ぎりぎり前に関門インし、毎度エイドの
スタッフに「補給だけしてすぐ出てください」
とケツを叩かれる始末。
(before)
(after)
最終ゴールも残り制限20分前、ヘロヘロの
ドロドロになりながら最後のゲート前だけ
かっこつけてゴールするという
当初の鏑木イメージとはずいぶんかけ離れた
完走となりました。
しかし、強い雨のふるなかゴールを待ってくれた
仲間やスタッフのみなさんのおかげで
途中からずっと一緒に走ったヨーヘイくんと
感動の肩組みゴールをすることが出来ました。
13時間の制限時間と、
全体力と足を全て使いきり、
最高に楽しませていただきました。
あらためて今回、
参加させていただいて感じた一番の感想は
「 レースはやっぱりイイ 」
というごくごくシンプルな思いです。
いろいろな制約がありながらも
この大会を開催することにこだわり、
地域や参加するランナー、
関わるひとたちとこの熱い空間を
共有したいという信念のみで
やりたくてもできなかった悔しさを
のりこえられた主催サイドの想い。
残り数キロ先のゴールに
向かうロード上で最後の最後まで
ランナーを見守り、支えてくださった
三村大会実行委員長の姿。
、、、すべてはここにこの大会の
素晴らしさがあります。鑑です。
そして、過去の自分を越えたい、
自分の今の力を試してみたい、だったり
トレラン大会に初めて挑戦する、とか
誰かとの約束、だったり
などさまざまな想いを胸にそこに集った
ランナーそれぞれの想い。
それらが集結して作り上げるあの空間
=なんとも言えないスタート前の高揚感や
ゴール付近での想いが重なり溢れた空気感=
は他のなにでも味わうことが出来ない、
そこにいるからこそ体感できる
唯一無二のものだと思い知らされました。
そしてまたこの想いを感じたくて
この熱に触れたくて、関わったひとは
大会やレースに向けて動き出すんだろうと。
その“熱に触れる”ことこそがリアルな大会の持つ
最高の価値のように感じました。
今回、協会からもたくさんの大会関係者、
スタッフが出られているなか、
私はいちランナーとして参加し、
走らせてもらいました。
この場を作っていただいた関わられた方々に
心から尊敬と感謝の想いでいっぱいです。
そしてまた、走れる機会があれば
完全コースにチャレンジしたいですし、
チャレンジするひとをサポートし
応援する側でも参加させてもらいたいと思いました。
当初一番の楽しみだったピーカンの
稜線上のトレイルランは未遂になりましたが、
それ以上にたくさんのひとの想いを全身で
たっぷりと感じさせてもらえた
“トレイル愛”に溢れた最高の大会でした。
本当にありがとうございました。
NAGI PEAKS
TOUGH TRAIL CHALLENGE2022
チャレンジコース
Result:
12時間42分38秒 完走