#84 私に今出来る事をする

先日、元気の出る映画を観てきました。

ブラインドのクライマーのお話。

とても感動して最後には爽快な涙を流してました。

そして、観た方みんな笑顔になってましたね。

 

最初は、全盲でどうやって岩を登るのかと、何か特殊な器具でも

使うのかとも思いながら映画館へ。

 

なんとクライミングシューズに素手。

 

松脂をパンパンと粉をまき散らしながら

カラフルな岩に見立てたボルダリングの壁を

登っています。

まずは、へーすごい…

でした。

 

そして、もっとすごいのはその岩の壁の下に立つ

小学生の女の子が声を張り上げてガイドしているんです。

 

登る前から、言葉で彼に伝えて岩のどっち側をどっちの手で持つ

とか、足の運びの順番を想像しながら自分の言葉で伝えている。

 

実際に、彼が登る時も全部言葉で伝えてました。

彼女の声が、彼の目になりその声を頼りに手を出すとその先には

彼女が言ったとおりに岩がある。

これの繰り返しでゴールまで辿り着く。

 

彼は、とてもうれしそうな顔をして降りてくると

真っ先に女の子にハイタッチ。

長年のコンビネーションなのか、2人の通じ合っている様子が

とても印象的。

まだ、映画の序盤で観ている観客の心をわしづかみの笑顔です。

 

「ライフ イズ クライミング!」

映画の最後には、彼はアメリカの岩を登ってます。

 

人生の中で、色んな出来事が起きて身体を動かすことが困難に

なる事もあるけれど、やりたいことはなんでもやってみよう。

 

そんな言葉は、よく聞きますがホントに出来ますか?

 

五体満足でも、何かが邪魔しているかのように

指をくわえて見ているだけになっていませんか?

 

そんな人に、やってみようよ!

と言ってもイヤイヤ無理無理ーってなりますよね。

 

それじゃダメなんだと気づかせてくれた映画でした。

 

何でも、やったらいいのに!

と思うなら、始める一歩を準備してチャンスを待ってる人に

環境を作って行くことが大切。

 

クライミングでもマラソンでも急に全盲の人が始めたいなと

思っても一歩が1人では出ませんよね。

 

そうなんです。

一緒に出掛ける仲間が必要なんですよね。

彼の目となる仲間が必要なんです。

 

クライミングやマラソンは、孤独な自分との闘いの

スポーツですが、誰かとの出会いがとても大切です。

 

この映画では、障害があっても、言葉が違っても

どんな人とでも普通に付き合って行く事がどれほど楽しい事で

どれほど豊かな人生を築いていけるのかを感じました。

 

何かを始めるとき、アテンドしてくれる存在がいると

まずは、入り口を教えてくれますね。

 

必要な道具や守っていくべきルールなどもそうですね。

まずは、もうそこで熟年した経験を持ってる人が導く環境が必要なんです。

 

その入り口まで辿り着ければ、教えてくれたり、相談したり

自分で試行錯誤したり、どんどん進んで行けるんですよね。

 

OMM塾も、地図読みのそういう場所でありたいなと思いました。

私が、所属しているシーカヤックのクラブでもいい場所を用意できてる

ステキなクラブだなと思います。

いつでも、シーカヤックに興味があれば、経験を問わず体験できます。

障害があってもです。

 

岡山県にある渋川海水浴場にて開催されますイベントはまさに

障害を持つ方や、お年寄り、子供や大人、人種、社会経済的背景

LGBTQに関係なく、すべての人々がビーチにアクセスし、気軽に安心して

楽しんでもらえる環境にしようというプロジェクト。

 

「渋川インクルーシブビーチフェス」

今年2023年9月24日(日)に開催されます。

 

日頃、ビーチに行きたくても車椅子ではビーチは車輪が砂に

埋もれてしまいます。

この日は、ビーチマットが敷かれ波打ち際まで車椅子で移動できるんです。

 

 

 

なかなか一歩が踏み出せないでいる方に、環境を整え準備されています。

この日は、色んな方にSUPやシーカヤックを体験していただけます。

 

去年、私もお手伝いに行きましたが高校生や小学生もファミリーも

そして、ビーチに久しぶりに来た車椅子生活のお子さんも。

 

私がタンデム艇で一緒に乗った女の子は、足に包帯なのかギブスなのか

松葉杖でビーチマットの上を歩いて来て参加してくださいました。

艇までクラブのメンバーが運んで、座り方や、パドルの持ち方を少しレクチャー

不安な顔は少しもせず、今か今かと船が砂浜を離れるのを待ってる様子。

砂浜のメンバーが、艇をそっと押す艇は完全に水の上に浮かびます。

前のコックピットに乗ってる彼女は波の先を見て、さっき教えてもらった

初めてのパドルを上手に動かしドンドン漕いでました。

私は、後ろのコックピットから彼女が一生懸命に漕いでる姿を眺めながら

風が気持ちいいね~って声を掛け、その後ずっと2人で話をしていました。

 

そうなんですよ。

 

やってみたらいいんですよ。

ちゃんと準備して環境を整えてます。

みんなで支えたり、教えたりしてたら

あっと言う間に知り合いが出来て、気の合う仲間が出来て

上達するのが、楽しみになってくるんです。

この仲間が、いるからこそ私も山へも海へも行けるんですよね。

どんなメダルよりも笑顔の仲間が一生の宝物です。

(キヤマナミ)