#30 ネットで調べてみました。

 

 

 

 

 

 

『森にはあこがれと畏れ(おそれ)の

感情を抱いている。

山中に旅して、月も出ていない暗い夜

森の緑まで 歩いていくことがある。

何があるのか、想像しただけで

畏怖(いふ)の念がこみ上げてくる。

がさがさ、そわそわと いろいろな物音が

する。その中に入り込めば、もう出て来ら

れないような気もする。

しかし、汲(く)んでも尽(つ)きぬ 豊饒

(ほうじょう)には、踏み入らねば出会え

ないようにも思う。

森に飛び込むのは勇気がいることかもしれ

ないが そのことで得られる何ものかの予感

に誘われる』

脳で旅する日本のクオリア 茂木健一郎  

 

茂木健一郎さんは登山もカヤックもする

憧 れの方です。

茂木さんの言葉は何とも言葉使いが美しく

私の気持ちにフィットしてくれます。

 

この文章の中にある『畏怖の念』 という

言葉が気になり調べてみました。

自分の想像や体験を超越した素晴らしい

何かに出会ったときに感じる

「神聖な気持ち」

「謙虚な気持ち」

「崇高で尊いさま」

を表す際にも使います。

私も、奇跡としか思えないような大自然の

大きさを感じた時、正に『畏怖の念』を

感じたことがあります。

カヤックで漕ぎ出した海で大きなクジラの

上を漕いでいるかのように感じた時。

海の一部になりたい様な、包まれている

様な神聖な気持ち。

 

 

 

 

 

 

知床の人の手が入っていない大自然の

大きな断崖に親子のクマの姿を見て

宇宙を感じたあの時です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間には太刀打ちできない大きな力を感じ

た時を『畏怖の念』と表すのでしょうか。

 

そして、『畏怖の念』には更に先があった

気になりネットで畏怖と検索してみました。

この『畏怖』を感じた人は時間の感覚が 広がる

そうなのです。

(2012年スタンフォード大学の研究による)

日常の生活では、時間が足りない! という

感覚になる事の多い現代社会ですが この

畏怖を感じた後は、時間はたっぷりある!

と感じるようになるんだそうです。  

 

時間に余裕があるという感覚を

覚えることで何が変わるのか。

日々時間に追われてプレッシャーを感じる

生活やそのプレッシャーからくる体調不良

に変化をもたらし、改善へと導いてくれる

可能性があると言います。

人は自分に余裕がないと、他人を助ける

気持ちを忘れてしまいがちですが 『畏怖』

を感じて時間的感覚に余裕ができると他人に

手を差し伸べる優しさが 生まれ、結果として

生活の質や幸福感の 向上につながるのだ

そうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

『畏怖』を感じているであろう身近な

知り合い、友人の姿が頭に浮かんでくる。

やはり、山や海をこよなく愛する友人。

トレイルランニングで山を楽しんでいる

友人は、山の大切さや、整備をしてきてく

れた先人のハイカーさんへの感謝を忘れず

トレイルランナーとして、何か恩返し

が 出来ないかと考え発信しています。

 

 

 

 

 

自分達は、山で遊ばせて貰っている

遊ぶだけではなく、お返しをしたい

山をもっと安全に遊べる場所にしたい。

そんな想いが集まり、沢山の仲間になり

行動に繋がっています。

 

人間の感情とは、不思議なものですね。

何か分からない力に導かれるように

ある日、ある時、絶景に偶然出会うと

今までの感覚がぐるっと一回りして

新しい感覚が身体に入ってくる。

 

小さな世界から、大きな世界に入った様に

今までの自分の行いや悩みをちっぽけに

感じてくるのに、今度は時間がたっぷり

有るように感じる。時間の余裕により

周りの人や動物や自然に対して優しく

する事ができる。

 

私は、元々持っている素質が絶景によって

脳が目覚めるのではないかと思いました。

人間の脳は100パーセント使っている人は

いないと聞いた事がありますが、何かの

きっかけで数パーセントの部分が動き出す

なら、私は絶景を観て心を揺さぶられる事

を何度も何度も経験したいなと思います。

今、このブログで山でのアクティビティを

発信してますが、このブログを見ている

あなたが人生の中で、少しでも楽しく

過ごせる時間を持てるきっかけになれ

ばと思っています。

(キヤマナミ)